戦時補償(読み)せんじほしょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「戦時補償」の意味・わかりやすい解説

戦時補償
せんじほしょう

一般的には,戦争によって民間財産損害を生じた場合に,政府がその損害を補償することをいう。日本では第2次世界大戦中に,政府が国家総動員法軍需会社法などにより約束した戦時補償が,軍需補償も含めて約 1500億円に上った。そして,敗戦によりその履行戦後に持越された。ところが,疲弊した戦後経済のなかで補償は財政上きわめて困難となり,加えて連合国側が経済民主化方針に基づき打切りを要求したため,1946年戦時補償特別措置法によって,事実上補償は行われなかった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android