戦略的攻撃兵器制限暫定協定(読み)せんりゃくてきこうげきへいきせいげんざんていきょうてい(その他表記)Interim Agreement between the United States of America and the Union of Soviet Socialist Republics on certain measures with respect to the limitation of strategic offensive arms

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

戦略的攻撃兵器制限暫定協定
せんりゃくてきこうげきへいきせいげんざんていきょうてい
Interim Agreement between the United States of America and the Union of Soviet Socialist Republics on certain measures with respect to the limitation of strategic offensive arms

アメリカとソ連の間で結ばれた第1次戦略兵器制限取決めの一つ。 1972年5月 26日にモスクワでアメリカの R.ニクソン大統領とソ連の L.I.ブレジネフ共産党書記長との間で調印され,同年 10月3日に発効。有効期間は5ヵ年。前文と本文8ヵ条,および付属議定書から成る。戦略的攻撃兵器の一部である ICBM (大陸間弾道ミサイル) と SLBM (潜水艦発射弾道ミサイル) および弾道ミサイル装備新型潜水艦の数的上限を定めており,ICBMについては,協定第1,2条によって米ソが 72年7月1日に保有している固定陸上基地 ICBM発射台数を維持することになった。この協定に示された ICBM,SLBMおよび潜水艦の数はいずれも,ソ連のほうが多くなっている。その一つの理由は,この協定が戦略的核攻撃兵器の送達手段の一部についてその数的上限を決めたにすぎないことである。この協定は,米ソ両超大国が初めて核軍備の規制に着手したという点で重要な意義をもつが,核弾頭など核兵器そのものについては何も規制しておらず,核軍縮の取決めでないことは明らかである。なお,この暫定協定に代る新協定に関する交渉は 72年 11月に開始された。 (→第2次戦略兵器制限取決め )

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