戸津古窯跡群(読み)とづこようせきぐん

日本歴史地名大系 「戸津古窯跡群」の解説

戸津古窯跡群
とづこようせきぐん

[現在地名]小松市戸津町

粟津あわづ温泉から西方に入る一支谷の中ほど、戸津町より二ッ梨ふたつなし町に至る県道に開く谷の南東斜面に位置する。昭和五六年(一九八一)から同五九年に民間開発を契機として発掘し、須恵器窯跡二五基・土師器窯跡一八基・地下式平窯跡一基・中世(加賀焼)窯跡一基・炭窯一基の総計四六基を検出している。須恵器生産は九―一〇世紀代に最盛期を迎え一〇世紀以降には衰退するが、平安時代後期の須恵器窯として、きわめて重要な資料を提供している。生産器種には坏・皿・蓋・碗・双耳瓶・広口壺・長頸瓶・小壺・甕・高坏・鉢・堝があるが、特殊な製品としては瓦・水煙・受花・風字硯・風字二面硯があり、窯道具としては馬爪形などの焼台が出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の戸津古窯跡群の言及

【窯】より

…上部の構造や焼成法は不明である。平安時代の土師器窯に石川県小松市戸津古窯跡群がある。多数の須恵器窯跡群の下方斜面に群在し,幅・奥行きとも1.5~2mの馬蹄形の平面の半地下式窖窯である。…

※「戸津古窯跡群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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