精選版 日本国語大辞典 「戸津」の意味・読み・例文・類語 とつ【戸津・富津・途津】 ( 「とづ」とも ) 滋賀県大津市坂本の東部、琵琶湖畔の古称。三津(みつ)。[初出の実例]「松本、戸津(トツ)〈略〉堅田の者迄も」(出典:太平記(14C後)二) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
日本歴史地名大系 「戸津」の解説 戸津とづ 滋賀県:大津市北部地域坂本戸津現下阪本三―六丁目付近の琵琶湖岸に比定される。富津・途津とも記し、三津(みつ)浜の一つとも、その別称ともいう。三津浜は戸津および志津(しづ)・今津(いまづ)からなるとされるが、「輿地志略」は唐崎(からさき)から四ッ家柳(よつややなぎ)町(現在の四ッ谷川付近)を志津、天台宗東南(とうなん)寺(現下阪本三丁目)付近一帯を今浜と称し、両地域を富津につくり、その総称を三津浜とする。「大日本地名辞書」には「三津とは成務天皇志賀の高穴穂にましませしなれば、坂本の津を御津とは書すなり」とある。御津(みつ)の浜は名勝地で、「新古今集」には前大僧正慈円の「もろ人のねがひを御津の浜風に心すずしきしでのおとかな」の歌が載る。また「万葉集」巻九に載る「三川の淵瀬も落ちず小網さすに衣手濡れぬ干す児はなしに」の三川を御津川とし、現在の坂本付近を東流する四ッ谷(よっや)川、あるいは大宮(おおみや)川に比定する説がある。〔坂本の津〕「天台座主記」によると、天元二年(九七九)四月の延暦寺地主三聖祭には、竜頭鷁首船に乗った伶人二〇余人が歌舞・妙曲を尽して、「富津浜」より唐崎に至ったことが知られる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by