精選版 日本国語大辞典 「戸立て」の意味・読み・例文・類語
と‐だて【戸立・戸閉】
- 〘 名詞 〙 ( 「とたて」とも )
- ① ( ━する ) 戸をたてること。戸を閉めること。また、その戸。または、たてきった戸。
- [初出の実例]「九尺の玄関、間平桟の戸閉(トタテ)あり」(出典:歌舞伎・花街模様薊色縫(十六夜清心)(1859)三幕)
- ② ( ①から転じて ) にっちもさっちもいかなくなること。資金ぐりなどがつかなくなること。
- [初出の実例]「帳面くろめる手だてもつき、十方戸立の金ぐめん」(出典:浮世草子・枕童児抜差万遍玉茎(1751‐64頃)第三話)
- ③ ( 戸立 ) 和船の船尾を固める主要構成材で、下部を艫𦨞(ともかわら)に釘づけして後方に傾斜させ、その両側に各棚板、上部に床船梁(とこふなばり)を結合する。下側を根立・下戸立、上側を上戸立という。〔和漢船用集(1766)〕
- ④ 「さいん(鎖陰)」の異名。
- [初出の実例]「蛸も戸たても仕て見たと在五いい」(出典:雑俳・末摘花(1776‐1801)四)