扁桃摘出術

六訂版 家庭医学大全科 「扁桃摘出術」の解説

扁桃摘出術
(のどの病気)

 扁桃摘出術、アデノイド切除術は、耳鼻科で最も多く行われる基本的な手術です。手術の難易度としては高くありませんが、口の深いところでの操作を必要とし、術後出血を起こさないように止血操作を十分行う必要があります。

 この手術を受ける人は子どもが多く、気道を直接に触る手術であり、術後出血のことを考えるとその頻度は少ないとはいえ、耳鼻科医としては神経を使う手術です。

 通常は全身麻酔で行うので、準備段階での点滴が痛いくらいで、手術自体は痛みを感じません。患者さんが10歳以上で、患者さんの納得が得られれば、局所麻酔でも十分に行える手術です。

 全身麻酔では、手術台にあお向けに寝て、頭を少し下げた状態で、口を広くあけ、ヘッドライトで口のなかをのぞきながら手術します。手術時間は、麻酔の時間を含めて1~2時間程度です。最近では、高周波や超音波メス、吸引凝固装置などの最新の器械により、より痛みの少ない手術が行われるようになっています。

 手術の危険性としては、麻酔合併症が1万件に1件程度(秋田大学麻酔科統計)、手術後1~6時間以内と5~7日目に出血の起こることが1~3%あるといわれています。

 入院期間は手術後3~7日程度です。食事は本人次第ですが、手術後4時間以上経過すれば、水分プリンなどをとることは可能です。

 手術に要する費用病院、入院日数によっても変わりますが、3割負担で約10~15万円程度が目安です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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