扇腹(読み)オウギバラ

デジタル大辞泉 「扇腹」の意味・読み・例文・類語

おうぎ‐ばら〔あふぎ‐〕【扇腹】

江戸時代武士刑罰の一。切腹斬罪ざんざい中間の重さのもので、罰を受ける者が、短刀の代わりに三方さんぼうに載せた扇を取って礼をするのを合図介錯人が刀でその首を切る。扇子腹せんすばら

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精選版 日本国語大辞典 「扇腹」の意味・読み・例文・類語

おうぎ‐ばらあふぎ‥【扇腹】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、武士に適用された刑罰の一つ三方(さんぼう)に短刀の代わりに載せた扇を取っていただくのを合図に、介錯人(かいしゃくにん)背後から首を切る。
    1. [初出の実例]「縛り首討べき所、兄忠正が情を以て扇腹との御計ひ」(出典:浄瑠璃・菖蒲前操弦(1754)二)

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世界大百科事典(旧版)内の扇腹の言及

【切腹】より

…受刑者が肩衣(かたぎぬ)をはね,三方に手をかけようとする瞬間,正介錯人は刀を振るってその首を切り,副介錯人が首を取って横顔を検使に見せると,検使は始終を見届けた旨を述べて執行を終わる。木刀の代りに扇を出したり(扇腹),ときには本物の短刀を使うこともあった。切った首および死体は遺族,家来などにさげわたされた。…

※「扇腹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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