身の短い(30センチメートル未満)、片刃または左右不均斉な両刃の刀剣。かつては寸法を限定せず、単に刀(かたな)と称した時期が長く、古文献にも短刀の名称はあまりみられない。腰刀(こしがたな)、小(ちい)さ刀(がたな)、鞘巻(さやまき)、隠剣(いんけん)、懐刀(ふところがたな)などとよばれる寸法の短い刀が短刀に属する。これらの刀身には、棟(むね)から刃先にかけての面が平らな「平造(ひらづくり)」や、剣と異なり左右不均斉な両刃(もろは)造り込みの「両刃造」、また茎(なかご)から切先(きっさき)にかけて稜線(りょうせん)をつけ菖蒲(しょうぶ)の葉に似せた「菖蒲造」などの形があるほか、「鵜(う)の首造」「おそらく造」「片切刃造」などもみられる。なお、短刀は俗に「合口(あいくち)」ともよばれているが、合口とは拵(こしらえ)に対する呼称なので、短刀の正しい用語ではない。ちなみに調理具や文具などの日用品は刀子(とうす)とよび、短刀と区別している。
[小笠原信夫]
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【ヨーロッパ,オリエント】
東アジアの青銅器が祭祀具として発達したのにひきかえ,ヨーロッパや西アジアの青銅器は実用品が多い。銅や青銅などの初期の金属は,石にかわって斧,手斧(ちような),剣,短刀などの利器の素材として利用されたところから,銅器時代や青銅器時代を設定する根拠となった。青銅器時代の開始を,一般には前3000年前後に設定しているが,厳密にはこの年代の青銅器は知られていない。…
…剣の場合は長さは切先から区までの距離,また,左右相称形なので反りはない。〈太刀(たち)〉〈刀〉〈脇指(わきざし)〉〈短刀〉などの種別は上記の長さの相違によっている。すなわち長さが2尺以上あるのが太刀と刀,1尺以下のものが短刀,その中間のものが脇指である。…
※「短刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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