扇谷上杉氏(読み)おうぎがやつうえすぎし

旺文社日本史事典 三訂版 「扇谷上杉氏」の解説

扇谷上杉氏
おうぎがやつうえすぎし

室町時代鎌倉府管領職を世襲した上杉氏の一流
室町時代に上杉氏は4流(扇谷・詫間 (たくま) ・犬懸 (いぬがけ) ・山内 (やまのうち) )に分かれたが,そのうち山内家と並び勢威を張った。永享の乱(1438〜39)に際し,持朝 (もちとも) は上杉憲実 (のりざね) (山内家)と結んで鎌倉公方足利持氏を滅ぼし関東の実権を握った。その後,山内家との間で内紛おこり,しだいに衰え,朝定 (ともさだ) の代に河越の戦い(1545〜46)で北条氏康に敗れ,滅亡した。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「扇谷上杉氏」の解説

扇谷上杉氏
おうぎがやつうえすぎし

関東管領上杉氏の一族。藤原氏。上杉頼重の子重顕が鎌倉扇谷に住んだことに始まる。南北朝初期,その子朝定は室町幕府の引付方・内談方(ないだんかた)頭人として活躍,丹後国守護ともなった。永享の乱後,持朝は相模国守護として勢力を伸ばし,子の定正は太田道灌(どうかん)を用いて山内上杉家に対抗したが,道灌を殺害して衰亡を早めた。1546年(天文15)朝定は武蔵国河越(現,埼玉県川越市)で北条氏康と戦い敗死,滅亡した。

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