手入(読み)ていれ

精選版 日本国語大辞典 「手入」の意味・読み・例文・類語

て‐いれ【手入】

  1. 〘 名詞 〙
  2. つくろい直すこと。よい状態にしておくために世話をし、ととのえること。
    1. [初出の実例]「『庭が見事でおぢゃる』『はっ。此中は手入(テイレ)もいたさぬによって』」(出典狂言記萩大名(1660))
  3. 手をつけること。着手。
  4. やり方。方法。てだて。
    1. [初出の実例]「ことをおさめる手入あれば、御心やすかるべし」(出典:浮世草子・珍術罌粟散国(1775)三)
  5. 貴人、大名などに縁故を求めて、その屋敷に出入りすること。また、わいろを送ること。
    1. [初出の実例]「今はん昌の武蔵野なれ共、隅から角まで手入して、更に爴(つかみ)取もなかりき」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)一)
  6. 犯罪の捜査や犯人の検挙のため、現場や犯人の居所に踏みこむこと。
    1. [初出の実例]「馬鹿々々しい、見当違ひのお手入(テイレ)を吃(く)ひ懸けてね」(出典:恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一八)
  7. 囲碁で、自分の地の中に打って、欠陥に備えること。終局の時点で必要になることが多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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