手出(読み)てだし

精選版 日本国語大辞典 「手出」の意味・読み・例文・類語

て‐だし【手出】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手を出すこと。ある事柄に積極的に関係すること。
    1. [初出の実例]「酔ふての手出しわすれやはする」(出典:俳諧・高点部類(1775))
    2. 「堂々たる人間が猫に恐れて手出しをせぬと云ふ事は有らう筈がない」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉四)
  3. はたから余計な世話をやくこと。
    1. [初出の実例]「野遊びに手出(テダ)しをしたるわらべ哉」(出典:俳諧・世話尽(1656)発句帖)
    2. 「余計な手出し誰が頼んだ」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉三五)
  4. 最初に仕掛けること。また、相手より先に手を下すこと。相手に争いを仕掛けること。
    1. [初出の実例]「公事半手出、三年理非を不論」(出典:今川仮名目録追加(1553)一四条)
    2. 「決して此方から手出(テダ)しをしてはならないと留めて」(出典:たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉二)

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