手継ぎ(読み)テツギ

デジタル大辞泉 「手継ぎ」の意味・読み・例文・類語

て‐つぎ【手継ぎ/手次ぎ】

浄土真宗で、檀家からその所属する寺をいう語。本山からの教化を取り次ぐ寺。手次ぎ寺。
次々にうけつぐこと。代々うけつぐこと。
「―相伝ノ教エ」〈日葡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手継ぎ」の意味・読み・例文・類語

て‐つぎ【手継・手次】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手から手にうけついでいること。代々引き継いでいること。また、そのもの。〔運歩色葉(1548)〕
    1. [初出の実例]「太田備中殿、先は昔よりの手つぎ、正鋪(ただしく)空にて語る物哉と」(出典:四座役者目録(1646‐53)上)
  3. てつぎもんじょ(手継文書)
    1. [初出の実例]「而相副次第手継等、限永代与于僧全心也」(出典:京都大学所蔵文書‐康和三年(1101)五月日・僧全誉譲状案)
    2. 「ほんけんてつき二つうをあいそへて」(出典:東寺百合文書‐へ・嘉元二年(1304)一〇月一一日・藤原氏家地売券)
  4. とりつぐこと。仲介をすること。また、それをする人。てづる。つて。
    1. [初出の実例]「手つぎをもとめいづかたへも、しのび御出有ならば、かならずしらせゑさせよと」(出典:浄瑠璃・定家(1708)一)
  5. てつぎでら(手次寺)」の略。
    1. [初出の実例]「在々所々に小門徒をもちて候をも、このあひだは手次の坊主にはあひかくしをき候やうに心中をもちて候」(出典:蓮如御文章(1461‐98)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android