手継文書(読み)てつぎもんじょ

精選版 日本国語大辞典 「手継文書」の意味・読み・例文・類語

てつぎ‐もんじょ【手継文書】

  1. 〘 名詞 〙 平安後期以降、私的土地所有発展に伴ってうまれた文書売買譲渡などによって同一の土地に関する権利がある人の手から他の人の手へと何度か移動するときに、そのときどきの権利の存在を証明するために作られた一連の土地証文。つぎつぎに最新の持主に受け渡される建前であったが、一通の証文に数か所の土地が記載されていて、たとえばその一部が売却されるときには、手もとの本証文のなかで売却した部分の記載を消して、別に案文を作成して渡したり、本証文を引き渡せない旨を断わり書きしたりするのが普通であった。手継ぎ。手継状。手継証文。てつぎのもんぞ。
    1. [初出の実例]「父立券文侍、大夫券文、無手次文書由、所申也」(出典:後二条師通記‐寛治六年(1092)一〇月二二日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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