打ち騒ぐ(読み)ウチサワグ

デジタル大辞泉 「打ち騒ぐ」の意味・読み・例文・類語

うち‐さわ・ぐ【打ち騒ぐ】

[動ガ四]
騒がしくする。
「この女ども、―・ぎて」〈平中・一七〉
激しく動く。
「嘆きつつ秋の御空みそらを眺むれば雲―・ぎ風ぞ激しき」〈和泉式部日記
心が動揺する。
「后はなほ胸―・ぎて」〈少女

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打ち騒ぐ」の意味・読み・例文・類語

うち‐さわ・ぐ【打騒】

  1. 〘 自動詞 ガ四段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 ) 騒々しく動く。
  2. 声や音をたてて動きまわる。
    1. [初出の実例]「この女ども、うちさわぎて、みな、板敷にのぼりぬ」(出典:平中物語(965頃)一七)
  3. 激しく動く。乱れ動く。
    1. [初出の実例]「白浪のうちさはがれてたちしかば身をうしほにぞ袖はぬれにし〈よみ人しらず〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑二・一一五九)
  4. ( 主に「胸(心)うちさわぐ」の形で用い ) 喜怒哀楽などの激しい感情で落ち着きが失われる。心が穏やかでなくなる。どきどきする。
    1. [初出の実例]「おもひやみにしかど心ちうちさはげば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開中)

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