打まける(読み)うちまける

精選版 日本国語大辞典 「打まける」の意味・読み・例文・類語

うち‐ま・ける【打まける】

〘他カ下一〙 (「うち」は接頭語) 中にはいっている物をすべて勢いよく出し散らす。転じて、心に思っていることをすっかり言う。隠さずすべて語り示す。ぶちまける。
人情本・清談若緑(19C中)三「彼鮮(あざら)けき魚どもを、椽頬(えんがは)へうち覆(マケ)て」
※海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉四〇「話が、すっかり、打ち撒けられないので困っちゃったんだよ」
[補注]この語の「まける」は「播く」「撒く」に由来するものではなく、こぼす、捨てるなどの意の方言「まける」によるか。

ぶち‐ま・ける【打まける】

〘他カ下一〙 ぶちま・く 〘他カ下二〙 (「ぶち」は接頭語)
器物をひっくり返して、中の物をすっかり出し散らす。
雑兵物語(1683頃)上「胴乱一ぱいぶちまけたらば、〈略〉鉄炮を腰にひっさばけて」
② 包み隠さずすっかり言う。心底をうちあける。
歌舞伎御摂勧進帳(1773)三立「大きな寝言をぶちまけたな」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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