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抗うつ剤 こううつざいantidepressant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

抗うつ剤
こううつざい
antidepressant

うつ病における抑うつ気分や意欲低下という症状を改善する薬剤。 1957年スイスのローラント・クーンが統合失調症治療に開発されたイミプラミンがうつ病に効果があることを発見したのが抗うつ剤の最初。現在では,ベンゼン核を三つもつ三環系抗うつ剤 (イミプラミン,アミトリプチリン,クロミプラミン,アモキサピン) ,同じくベンゼン核が四つの四環系抗うつ剤 (マプロチリン,ミアンセリン) ,選択的セロトニン再取り込み阻害薬 selective serotonin reuptake inhibitor (略称 SSRI。フルボキサミン,パロキセチン) ,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 serotonin noradrenarine reuptake inhibitor (略称 SNRI。ミルナシプラン) などが使用されている。そのほか,モノアミン酸化酵素阻害薬 MAOIやその改良型である可逆性モノアミン酸化酵素A阻害薬 RIMAも欧米で使用されている。抗うつ剤の薬理効果はいずれも,神経細胞間の信号伝達を司るノルアドレナリンセロトニンなどの神経伝達物質の働きを調整することに関連しているが,うつ症状を抑えるメカニズムは完全に解明されてはいない。一般に即効性はなく効果が現れるには週単位の時間が必要で,数ヵ月間持続して服用する必要がある。三環系や四環系は抗ヒスタミン作用 (眠気) ,抗コリン作用 (口渇,便秘) ,抗ノルアドレナリン作用 (起立性低血圧,頻脈) などの副作用がある。 SSRIや SNRIは副作用は少ないが焦燥感,発熱,発汗,下痢などのセロトニン症候群を起こすことがある。

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