抱ゆ(読み)カカユ

デジタル大辞泉 「抱ゆ」の意味・読み・例文・類語

かか・ゆ【抱ゆ】

[動ヤ下二]《「かか(抱)う」が室町時代以降ヤ行に転じて用いられた語。終止形は「抱ゆる」となる例が多い》「抱える」に同じ。
「乗合一同、旅の苦を忘れて、腹を―・ゆるほどに」〈魯文西洋道中膝栗毛
ねん永く切って高給を出し、気遣ひなしに先金も大分出して―・ゆる事なり」〈浮・禁短気・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「抱ゆ」の意味・読み・例文・類語

かか・ゆ【抱】

  1. 〘 他動詞 ヤ行下二段活用 〙 ( ハ行下二段動詞「かかふ」から転じて、室町時代頃から用いられた語。多くの場合、終止形は「かかゆる」の形をとる ) =かかえる(抱)〔天正本節用集(1590)〕
    1. [初出の実例]「此寺をかかゆる事はなりまらすまひ程に」(出典:虎明本狂言・骨皮(室町末‐近世初))
    2. 「乗合一同旅の苦をわすれて腹を抱(カカ)ゆるほどに」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉三)

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