招婿婚(読み)ショウセイコン

デジタル大辞泉 「招婿婚」の意味・読み・例文・類語

しょうせい‐こん〔セウセイ‐〕【招婿婚】

婿むこ入り婚

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精選版 日本国語大辞典 「招婿婚」の意味・読み・例文・類語

しょうせい‐こんセウセイ‥【招婿婚】

  1. 〘 名詞 〙 夫婦生活が妻方で営まれたり、妻訪いの形で営まれたりする婚姻形態。嫁入婚に対するもの。母系制社会に多くみられる。婿(むこ)入婚。〔国民経済講話‐乾(1917)〕

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「招婿婚」の解説

招婿婚
しょうせいこん

結婚後,新郎新婦の両親の家かその近くに住む場合を,人類学では母方居住婚・妻方居住婚という。これを高群逸枝(たかむれいつえ)は「招婿婚」と概念規定し,南北朝期以前の婚姻方式で,以後の娶嫁婚(しゅうかこん)に歴史発展するとした。しかし平安貴族層の婚姻形態でも,生涯にわたる妻方居住ではなく,父系が成立していたことなどから,母系制に対応した人類学概念の招婿婚とは相違する。したがって現在では,平安時代は妻方居住をへた新処居住婚と当初からの新処居住婚の併存で,中世以降,夫方居住婚に移行するとされ,招婿婚概念の使用が否定されている。ただ平安貴族の場合,同一屋敷内での夫方両親との同居は一般的ではないため,この時期を娶嫁婚と規定することは疑問である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「招婿婚」の意味・わかりやすい解説

招婿婚
しょうせいこん

妻方で夫婦生活を過ごす婚姻方式で、婿入り婚のこと。娶嫁(しゅか)婚(嫁入り婚)に対する。婿が妻方に住み込む妻所(さいしょ)婚と、夜ごと妻のもとに通う妻訪(さいほう)婚の2種に分けられる。

竹田 旦]

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百科事典マイペディア 「招婿婚」の意味・わかりやすい解説

招婿婚【しょうせいこん】

婿入(むこいり)婚

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「招婿婚」の意味・わかりやすい解説

招婿婚
しょうせいこん

婿入り婚」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の招婿婚の言及

【性】より

…庶民社会においてもほぼ同様であり,その範囲は部落内が大部分で,いわゆる村内婚であった。毎日しごとを終え,食事を済ませてから妻の所に通うもので,聟入婚,妻問婚,招婿婚などと呼ばれている。何よりも労働力が貴重であった農・漁村においては,古来,その主たる担い手である若者の発言力は大きく,配偶者選択の際にも彼らの自主性は強かった。…

【婿入婚】より

…婚姻生活の場を妻方(嫁方)におく婚姻。招婿婚,妻訪婚,妻処婚などともいう。一般に日本の基本的婚姻形態として,夫妻の居住方式や初婿入りなどの婚姻成立儀礼の行われ方から,婿入婚と嫁入婚に分類されているが,婿入り,嫁入りのような民俗語彙をもとにしてのこの分類は,必ずしもその意味が合意されているわけではなく,ことに婿入婚に関してはあいまいである。…

※「招婿婚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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