招提(読み)ショウダイ

デジタル大辞泉 「招提」の意味・読み・例文・類語

しょう‐だい〔セウ‐〕【招提】

《〈梵〉caturdiśaの音写「招闘提奢」の略。四方の意》仏教で、寺院道場
「五山第二の―なれば」〈太平記・四〇〉

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精選版 日本国語大辞典 「招提」の意味・読み・例文・類語

しょう‐だいセウ‥【招提】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] caturdiśa 「招闘提奢」の略。「四方」と訳し、衆僧の住む客房の意 ) てら。寺院。道場。
    1. [初出の実例]「大夫中納言行式部卿石上宅嗣〈略〉招提禅草歇、戒院覚支空」(出典:観智院本唐大和上東征伝(779))
    2. 「五山第二の招提なれば」(出典:太平記(14C後)四〇)
    3. [その他の文献]〔翻訳名義集‐七〕

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世界大百科事典(旧版)内の招提の言及

【寺内町】より

…ついで大坂の石山本願寺には当初寺内6町のち10町を超える町が発展した。そして,石山の周辺である摂津,河内,和泉,大和には寺内町が急速に成立し,富田林(とんだばやし),大ヶ塚(だいがつか)(大阪府南河内郡河南町),八尾,久宝寺(きゆうほうじ)(大阪府八尾市),招提(枚方市),富田(とんだ)(高槻市),貝塚今井などの寺内町ができた。また東海地方では尾張・美濃境の富田(とみだ)(愛知県尾西市)などにできたが,三河では真宗寺院はあったものの寺内町の発展はなかった。…

【仏教】より

…この,事に応じたサンガの構成を現前僧伽(げんぜんそうぎや)という。これに対し,全仏教徒(修行者)の教団を四方僧伽という(四方僧伽にあたるサンスクリットのチャートゥルディシャを音写した招提(しようだい)の語は,唐招提寺の名に残っている)。律は部派ごとに,内容上に若干の差異がある。…

※「招提」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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