拾子(読み)ひらいこ

精選版 日本国語大辞典 「拾子」の意味・読み・例文・類語

ひらい‐こ ひらひ‥【拾子】

〘名〙
喧嘩(けんか)の際、どさくさまぎれに相手をなぐる加勢をいう、芝居者の語。〔南水漫遊拾遺(1820頃)〕
② カルタ賭博(とばく)で、筒(どう)を取るだけの力がなく、側(かわ)を張るだけの者をいうか。
※歌謡・色里迦陵嚬(1704‐11頃か)五三・かるた請状「ひらひこたちにとってやりても、そゑこにでられ」
妓夫(ぎゅう)なしに、自身で客を誘って稼ぐ夜鷹
洒落本・百花評林(1747)辻君近年は、ひらひ子といふもの出来て」

ひろい‐ご ひろひ‥【拾子】

〘名〙
① 捨てられた子を拾って育てること。また、その子。ひろいっ子。〔日葡辞書(1603‐04)〕
厄年に生まれた子、体の弱い子、次々に子を亡くして残った子などを、ちょっと捨てる真似をして仮親に拾ってもらう呪術的習俗。また、その子。名を改め「捨」の字を付けることが多い。ひろいっ子。

ひろいっ‐こ ひろひっ‥【拾子】

人情本・郭の花笠(1836)二「お前は拾ひっ子で、お浅さんは実の娘」

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