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妓夫 ぎゅう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

妓夫
ぎゅう

遊里でを引く男。遣手婆について,二階の駆引き,客の応待などもした。私娼夜鷹についている場合もある。「」または「牛太郎」ともいい,「有」とも書くが,「妓」の字をあてたのは明治以降のことであるといわれる。この言葉の源は,承応の頃 (1652~55) ,江戸,葺屋町の「泉風呂」で遊女を引回し,客を扱っていた久助という男にあり,『洞房語園』によると,その男の煙草 (たばこ) を吸うさまが「及 (きゅう) 」の字に似ていたので,人々が彼をして「きゅう」というようになり,それがいつしか「ぎゅう」となり,やがて,かかる男たちの惣名になった,とある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎゅう【妓夫】

遊女屋で事務・客を扱う男子従業員。若い者または牛太郎(ぎゆうたろう)ともいう。語源には諸説あるが確定しがたい。吉原に散茶女郎が流入したときにふろ屋の構造をとり入れ,及台(ぎゆうだい)と呼ぶ3尺角ほどの腰掛けを設け,それに客引きを待機させたことと関係があるらしい。事務や経理の支配人格のもの(番頭・見世番),客の呼込み,勘定徴収や寝具の始末,掃除と飲食物の世話などに分業された。職種に応じ,給料は定額制や歩合制無給祝儀のみなどがあり,同店の女性との私通は厳禁され,寄子(よりこ)として所属の親方の支配下におかれた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

妓夫
ぎゅう

遊女屋の男子使用人。牛太郎(ぎゅうたろう)ともいう。1668年(寛文8)、風呂屋(ふろや)女が吉原に移されて散茶見世(さんちゃみせ)ができたとき、その店頭にギュウ台が設けられたのが、妓夫の名のおこりというが確証はない。大きい遊女屋では妓夫の仕事も分業となり、総監督を務める見世番のほか、客引きの立ち番、遊興費の徴収と記帳をする仲働き、飲食物の運搬や掃除をする追回し、書類をつくる書記、寝具を扱う床番などに分かれる。幕末には若い者とよんだが、明治以後、妓夫という文字とともに一般的となった。彼らは各所属組合の寄子(よりこ)で、特定の紹介業者が斡旋(あっせん)した。[原島陽一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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