持出(読み)もちいず

精選版 日本国語大辞典の解説

もち‐い・ず ‥いづ【持出】

〘他ダ下二〙 =もちだす(持出)
都路のわかれ(1275)「この物、あるじだちて小余陵(こゆるぎ)のいそぎさかなもちいでて酒すすむ」

もち‐いだ・す【持出】

〘他サ四〙 =もちだす(持出)
人情本閑情末摘花(1839‐41)初「紺炉を椽頬(えんがは)へ持出(モチイダ)し火を起す」

もち‐だし【持出】

〘名〙
① 持って外へ出すこと。また、その人。
真空地帯(1952)〈野間宏〉五「林中尉のやった持出しをばらすならば、それはただちに自分の身にも及んでくると考え直していた」
② 予算以上になった費用を自分が負担すること。経費をすべて自分が負担すること。また、その支出。
※浄瑠璃・小野道風青柳硯(1754)四「勘当したとは上(うは)ずんべり、持出(モチダ)しの一家(いっけ)の付合」
③ 出前をする人。出前持
歌舞伎曾我綉侠御所染御所五郎蔵)(1864)五幕「べらぼうめ、台屋の持出しが、手引を連れて歩かれるものか」
④ 家屋構造で、外に張り出して造った部分。
※歌舞伎・勧善懲悪孝子誉(1877)二幕「三尺間に硝子張の窓を付け上の方一間持出(モチダ)しの破風の庇」
⑤ 古相撲の手の一つ。四つに組み、相手の褌(まわし)をつかんで相手を持ち上げ、土俵の外に出すこと。〔古今相撲大全(1763)〕
⑥ 洋裁で、明きの部分が重なるように布を裁ち出したり、別布を当てたりした部分。

もち‐だ・す【持出】

〘他サ五(四)〙
① 手に持って外へ出す。内にあった物を外へ出す。かくれていた物を人目につく所へ出す。もちいず。もちいだす。〔文明本節用集(室町中)〕
② 持ち始める。
③ 言い出す。話題にする。問題を人前に出す。提案する。
滑稽本・八笑人(1820‐49)二「『此又面で、なり計りりっぱではうつらねへはサ』『チョッ又つらを持出(モチダ)しゃアがる』」
④ 訴えて出る。
⑤ 費用などを自分が負担する。費消する。また、予算以上になった費用を自分が負担する。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉一〇「成程左様(そう)無くては一代に千万近くの身代は持ち出されぬと」

もて‐い・ず ‥いづ【持出】

〘他ダ下二〙
① 持って出る。持ち出す。
※古今(905‐914)秋下・三〇九「もみぢばは袖にこきいれてもていでなん秋は限りとみん人のため〈素性〉」
② 外部に表わす。表面に出す。
※源氏(1001‐14頃)藤袴「なほ、もていでず、しのびやかに、御消息なども聞えかはし給ければ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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