持出(読み)もちだし

精選版 日本国語大辞典 「持出」の意味・読み・例文・類語

もち‐だし【持出】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 持って外へ出すこと。また、その人。
    1. [初出の実例]「林中尉のやった持出しをばらすならば、それはただちに自分の身にも及んでくると考え直していた」(出典:真空地帯(1952)〈野間宏〉五)
  3. 予算以上になった費用を自分が負担すること。経費をすべて自分が負担すること。また、その支出
    1. [初出の実例]「勘当したとは上(うは)ずんべり、持出(モチダ)しの一家(いっけ)の付合」(出典:浄瑠璃・小野道風青柳硯(1754)四)
  4. 出前をする人。出前持
    1. [初出の実例]「べらぼうめ、台屋の持出しが、手引を連れて歩かれるものか」(出典:歌舞伎・曾我綉侠御所染(御所五郎蔵)(1864)五幕)
  5. 家屋構造で、外に張り出して造った部分。
    1. [初出の実例]「三尺間に硝子張の窓を付け上の方一間持出(モチダ)しの破風の庇」(出典:歌舞伎・勧善懲悪孝子誉(1877)二幕)
  6. 古相撲の手の一つ。四つに組み、相手の褌(まわし)をつかんで相手を持ち上げ、土俵の外に出すこと。〔古今相撲大全(1763)〕
  7. 洋裁で、明きの部分が重なるように布を裁ち出したり、別布を当てたりした部分。

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