真空地帯(読み)シンクウチタイ

大辞林 第三版の解説

しんくうちたい【真空地帯】

ある働きが全く及ばない地域。何もない所。
書名(別項参照)。

しんくうちたい【真空地帯】

長編小説。野間宏作。1952年(昭和27)刊。社会から隔離された兵営の、非人間的な状況を告発する軍隊批判の小説。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

真空地帯
しんくうちたい

野間宏(ひろし)の長編小説。1952年(昭和27)2月、河出書房刊。人間を非人間的な兵士に変えていく真空地帯、すなわち軍隊内務班を舞台に旧軍隊と戦争の本質に挑んだ反戦小説。陸軍刑務所から内務班に戻った木谷一等兵は、自分を窃盗の罪に陥れた真犯人を追及していく。インテリである曽田(そだ)一等兵は軍隊内秩序に反抗的な木谷に関心をもって見守る。木谷の探索の過程でやがて内務班の現実、軍事法廷、陸軍刑務所の実態が明らかになっていく。だが、木谷はいったん逃亡を企てたものの、結局前線へ送られることとなる。作者自身の軍隊体験をもとに、日本の軍隊の独特なメカニズムを剔抉(てっけつ)した野間宏の代表作である。発表当時も非常な反響をよび、戦後文学の記念碑的傑作となった。[紅野謙介]
『『真空地帯』(岩波文庫・旺文社文庫・新潮文庫)』

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