普及版 字通 「捏(漢字)」の読み・字形・画数・意味
捏
10画
(異体字)
12画
[字訓] こねる
[字形] 形声
声符は(でつ)。は用例もなく、捏も古くはみえない字である。は轆轤(ろくろ)にかけて土器の形を整えることを示す字であろう。〔説文〕十一上に涅(でつ)の字があり、「土、水中に在るなり」とあり、その粘土質のものをとって、器を作る。捏は〔字林〕に「捺(おさ)ふるなり」、〔集韻〕に「搦(とら)ふるなり」というが、土器を握捺する意であるらしく、任意に整形をすることから、捏造の意となる。字はまたに作り、轆轤の台上で壺形の器を作る形。はまた(げつ)に作り、兒(げつ)声の字であるが、捏・は同じ字として扱われる。いまは捏が通行の字である。
[訓義]
1. こねる、にぎる、おさえる、ひねる、みな土器の器形を作ることをいう。
2. 字はまたに作る。
[語系]
捏・涅nyetは同声。この関係からいえば、捏は涅(水中の黒土)をとって、土器を作る意であろう。古い殷王朝の時代に、東方に灰陶・黒陶の作られた時期があった。
[熟語]
捏塑▶・捏陥▶・捏虚▶・捏控▶・捏構▶・捏告▶・捏詞▶・捏称▶・捏飾▶・捏侵▶・捏成▶・捏舌▶・捏素▶・捏病▶・捏稟▶・捏誣▶・捏報▶・捏名▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報