排尿後症状(読み)はいにょうごしょうじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「排尿後症状」の意味・わかりやすい解説

排尿後症状
はいにょうごしょうじょう

下部尿路症状(LUTS:lower urinary tract syndrome)の一つ。LUTSは尿をためたり排尿することに関連する症状の総称で、排尿症状、蓄尿症状、排尿後症状に分けられるが、そのうち排尿直後にみられる症状をいう。症状としては、排尿後に膀胱(ぼうこう)にまだ尿が残っているように感じる残尿感があったり、排尿直後に尿道の球部にまだ残っていた少量の尿が不随意的に外尿道口から漏れ出す排尿後尿滴下(PMD:post micturition dribble)などがみられる。排尿後尿滴下の原因はまだ不明な部分が多いが、排尿終了時に、尿道内の残尿を排出するように収縮する球部尿道周囲の球部海綿体筋の収縮力が加齢とともに弱くなるためと考えられている。通常は病的ではなく生理的要素が強いものであるが、尿道の構造から男性に多く、40歳代に始まり50歳以降になると多くの人が経験するといわれる。しかしPMDは日常生活に支障をきたす症状でもあり、病的なものでは前立腺(ぜんりつせん)肥大尿道狭窄(きょうさく)などが疑われる。

[編集部 2016年12月12日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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