残尿(読み)ザンニョウ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「残尿」の意味・わかりやすい解説

残尿
ざんにょう

排尿後、まだ膀胱(ぼうこう)内に残っている尿をいう。残尿量は正常状態では男女ともに10cc以下である。排尿直後にカテーテルを入れてそのときに出る尿量を量れば、残尿量がわかる。残尿量が50ccを超えると感染がおこりやすくなり、腎(じん)機能も低下するおそれが出てくる。前立腺(せん)肥大症、神経因性膀胱尿道狭窄(きょうさく)などの下部尿路の通過障害で残尿量が増加する。

 排尿後もまだ残っている感じや、またすぐに排尿したい感じがするのを残尿感という。これは実際に残尿のある場合のほかにも、炎症などがあるとおこるものであり、残尿量と関係のないことがある。

[河村信夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の残尿の言及

【前立腺肥大症】より

…最終的には尿が膀胱にたまっているにもかかわらず,いきんでもまったく出なくなり(尿閉),カテーテルを尿道から挿入して尿を排除しなければならなくなる(導尿)。1回の排尿で尿が完全に出きらず,一部が膀胱に残る状態を残尿と呼ぶ。残尿が存在すると1回の排尿量が減少して排尿の回数が増加する(頻尿)。…

※「残尿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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