蓄尿症状(読み)ちくにょうしょうじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蓄尿症状」の意味・わかりやすい解説

蓄尿症状
ちくにょうしょうじょう

下部尿路症状(LUTS:lower urinary tract syndrome)の一つ。LUTSは尿をためたり排尿することに関連する症状の総称で、排尿症状、蓄尿症状、排尿後症状に分けられるが、そのうち膀胱(ぼうこう)に尿がためられる過程に関連しておこる症状をいう。起きている間の排尿回数が多い頻尿、夜間の就寝中に複数回の排尿がある夜間頻尿、これらとは逆に排尿回数が日に1~2回しかない乏尿、突然に尿意がおこり我慢できない尿意切迫感、腹圧がかかったときに尿が漏れる腹圧性尿失禁や我慢できずに漏れてしまう切迫性尿失禁、不随意的に尿が漏れる遺尿などの尿失禁といった症状のほか、膀胱の充満や尿意を感じない膀胱の知覚低下などを伴うこともある。過活動膀胱前立腺(ぜんりつせん)肥大などでよくみられるが、いずれも日常生活に支障をきたす症状が多く、改善がみられなければクオリティ・オブ・ライフ(生活の質、QOL)に大きく影響をおよぼすこともある。

[編集部 2016年12月12日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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