掛け留む(読み)カケトム

デジタル大辞泉 「掛け留む」の意味・読み・例文・類語

かけ‐と・む【掛け留む/懸け留む】

[動マ下二]
物に綱などを引っかけてとめる。
「荒るる馬をいかでか人は―・めむ」〈かげろふ・上〉
関係をつけてとどめる。引きとめる。
「心にかなはぬ事なれば、―・めむ方なきぞ悲しかりける」〈御法

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精選版 日本国語大辞典 「掛け留む」の意味・読み・例文・類語

かけ‐とど・む【掛留】

  1. 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. かけとむ(掛留)
    1. [初出の実例]「すのまたとかやいふ川には、舟を並べて、まさきの綱にやあらん、かけとどめたるうき橋あり」(出典:十六夜日記(1279‐82頃))
  3. かけとむ(掛留)
    1. [初出の実例]「つひに、かく、かけとどめたてまつり給へるものをなど、とり集めて思砕くに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)柏木)

かけ‐と・む【掛留】

  1. 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. 引っかけて物をとどめる。綱などをかけて止まらせる。かけとどむ。
    1. [初出の実例]「速見(へみ)のみまきに荒るる馬を、いかでか人はかけとめんとおもふものから」(出典蜻蛉日記(974頃)上)
  3. 物事に関係をつけてとどめる。人を引きとめる。また、この世に生きながらえさせる。かけとどむ。
    1. [初出の実例]「ともかくも岩間の水のむすぼほれかけとむべくも思ほえぬ世を」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)

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