採掘址(読み)さいくつし

改訂新版 世界大百科事典 「採掘址」の意味・わかりやすい解説

採掘址 (さいくつし)

石材鉱物を得るために採掘をした痕跡の残る遺跡。道具類などの遺物を包含したり,周辺に工房址やこれに携わった人たちの居住址があることが多い。ポーランドでは後期旧石器時代に遡るフリントの採掘址が知られている。またイギリスの新石器時代のフリント採掘址の調査では,牛の肩甲骨をシャベルに用いて立坑を掘り,フリントを熱してから鹿角で剝ぎとるという方法が行われたことがわかった。オーストリアでは,百数十mの坑道を複数もった青銅器時代の銅採掘址が知られている。日本にも黒曜石(長野県和田峠)やサヌカイト(奈良県二上山)の採掘址があり,土器製作用の粘土の採掘址といわれるものもある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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