日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリント」の意味・わかりやすい解説
フリント(岩石)
ふりんと
flint
珪(けい)質堆積(たいせき)岩チャートの一種。硬く、鋼鉄片と打ち合わせると火花が出るため、燧石(ひうちいし)あるいは火打石ともいわれる。白色または灰色から黒色を呈し、割ると貝殻状の断口を示す。玉髄や潜晶質石英からなるきわめて緻密(ちみつ)で硬い岩石。チョークや石灰岩、あるいは珪藻土(けいそうど)の中に団塊として産するが、レンズ状あるいは不規則な塊状のこともある。珪質海綿の骨針のような生物源シリカ(二酸化ケイ素)の溶解・沈殿によって形成されたと考えられるものもあり、海綿の骨針や放散虫あるいは珪化した有孔虫などの化石を含んでいることがある。石器時代に用いられた石器のなかには、フリントを利用したものがある。
[斎藤靖二]