フリント(読み)ふりんと(英語表記)Flint

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリント」の意味・わかりやすい解説

フリント(岩石)
ふりんと
flint

珪(けい)質堆積(たいせき)岩チャートの一種。硬く、鋼鉄片と打ち合わせると火花が出るため、燧石(ひうちいし)あるいは火打石ともいわれる。白色または灰色から黒色を呈し、割ると貝殻状の断口を示す。玉髄や潜晶質石英からなるきわめて緻密(ちみつ)で硬い岩石。チョーク石灰岩、あるいは珪藻土(けいそうど)の中に団塊として産するが、レンズ状あるいは不規則な塊状のこともある。珪質海綿の骨針のような生物源シリカ(二酸化ケイ素)の溶解沈殿によって形成されたと考えられるものもあり、海綿の骨針や放散虫あるいは珪化した有孔虫などの化石を含んでいることがある。石器時代に用いられた石器のなかには、フリントを利用したものがある。

[斎藤靖二]


フリント(アメリカ合衆国)
ふりんと
Flint

アメリカ合衆国、ミシガン州南東部、フリント川に臨む工業都市デトロイトの北92キロメートルに位置する。人口12万4943(2000)。1904年にビュイック自動車会社が製造工場を建設して以来の合衆国を代表する自動車工業の中心地で、ゼネラル・モーターズ社などいくつかの有名企業が工場をもつ。そのほか、自動車装飾品、綿紡績、航空機用エンジン、家具などの工業が発達する。1819年に皮革交易地として町が建設され、55年より市制が施行された。

[作野和世]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フリント」の意味・わかりやすい解説

フリント
Flint

アメリカ合衆国,ミシガン州中東部にある都市。デトロイトの北西約 100kmに位置する。 1819年入植,マツを中心とする木材工業と農業が主産業であったが,86年二輪馬車の生産が始り,1900年までには年産 10万台に達した。 03年ビュイック・モーター社ができると,自動車部品の製造に転じ,08年ゼネラル・モーターズ社設立後は,市の主要な自動車工場は同社に統合され,デトロイトに次ぐ自動車工業の大中心地となった。人口 14万 761 (1990) 。

フリント
Flint, Timothy

[生]1780.7.11. マサチューセッツ,ノースレディング付近
[没]1840.8.16. レディング
アメリカの牧師,小説家,歴史家。 1800年ハーバード大学卒業後,牧師としておもに西部,南部で布教活動を行なったが,病を得てから著述に専念し,歴史書,伝記,小説などを書いて西部文学の開拓者となった。小説『フランシス・ベリアン』 Francis Berrian: or The Mexican Patriot (1826) など。

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