接地気候(読み)せっちきこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「接地気候」の意味・わかりやすい解説

接地気候
せっちきこう

地面から 2mくらいまでの気層(接地気層)にみられる気候微気候ともいう。その範囲も 10m2くらいで狭く,微地形との関連が深い。垂直的な広がりが狭いため地表の被覆状態の影響を強く受ける。砂地か草地か,土壌水分の量や地表の色の違いによっても,気温などの分布に変化が現れる。接地気候は農作物生育に大きな影響を与えることから,特に水田や温室内などの気候として研究されることが多い。地表面で吸収された太陽エネルギーは,顕熱潜熱かたちで接地気層を通して大気中へ輸送され,また大気の運動エネルギーは地表面の摩擦の影響を受けて失われてゆく。エネルギー変換の点からも,接地気層の気候は非常に重要な役割を果たす。

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