掬い(読み)スクイ

デジタル大辞泉 「掬い」の意味・読み・例文・類語

すくい〔すくひ〕【×掬い/抄い】

すくうこと。すくいとること。「金魚―」「どじょう―」
掬いばち」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「掬い」の意味・読み・例文・類語

すくいすくひ【掬・抄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すくう(掬)」の連用形の名詞化 )
  2. すくうこと。すくいとること。また、そのもの。数詞の下について、「ひとすくい」などのように、すくう回数を表わすのにも用いる。
    1. [初出の実例]「水三すくひまいりまいりして行給へ」(出典:御伽草子・諏訪の本地(神道物語集所収)(室町末))
  3. すくいばち(掬撥)」の略。
    1. [初出の実例]「丸うなって・すくひの利かぬ芸子の撥」(出典:雑俳・水加減(1817))
  4. 取引市場で、短期間の転売、買戻しによって僅少の利益を得ること。また、相場で機敏に立ち回って利益を得ること。〔大坂繁花風土記(1814)〕
  5. 織物の一種。綴織と同様の工程で模様を織り出すが、綴織よりも、太く粗悪な糸を用いたものをいう。名古屋帯、袋帯などに用いる。
  6. 漁法の一つ。潮の干満の差の大きい沿海地方で海中に石を積んで一〇〇メートル前後の半円形の囲いをつくり、満潮時に囲いに入り、干潮時に囲いの外に出られないで残っている魚を採る漁法。有明海沿岸地方、沖縄などに残る。

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