掻混・掻雑(読み)かきまぜる

精選版 日本国語大辞典 「掻混・掻雑」の意味・読み・例文・類語

かき‐ま・ぜる【掻混・掻雑】

〘他ザ下一〙 かきま・ず 〘他ザ下二〙
① いろいろな物事を、秩序なくまぜ合わせる。かきまわしてまぜる。
源氏(1001‐14頃)総角「あじろの氷魚も心よせ奉りて、いろいろの木の葉にかきまぜもて遊ぶをしも」
弦楽器を弾いて、他の楽器の音にまじるようにする。
※夜の寝覚(1045‐68頃)一「箏の琴の時々かきまぜたるは、いとすぐれてきこゆ」
混乱を起こさせる。紛糾させる。かき乱す。
※野の花(1901)〈田山花袋〉九「自分の恋の悲しさといふ事やら、運命の恐ろしさといふ事やらが、〈略〉自分の脳をかきまぜて了ふ」

かき‐まぜ【掻混・掻雑】

〘名〙
① かきまわしてまぜること。また、そのもの。
② ありふれていること。普通。
※浜松中納言(11C中)三「及びなく、心尽くさざらんかきまぜの程は、かやうに心美しう、なよよかならんこと、思ひとどめらるべきわざなりけれ」

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