揺返(読み)ゆりかえし

精選版 日本国語大辞典 「揺返」の意味・読み・例文・類語

ゆり‐かえし ‥かへし【揺返】

〘名〙
① 大きな地震のあとに続いて起こる小さな地震。余震。揺直し。ゆりなおし。ゆりもどし。ゆれかえし。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻二〇「ふんどしへ大小をさすゆりかへし」
抱擁(1973)〈瀬戸内晴美〉三「しばらく止んだと思ったら、また揺りかえしがきた」
② ある作用の結果、その反対の作用が起こること。反作用反動。ゆりもどし。ゆれかえし。
※金(1926)〈宮嶋資夫〉一〇「相場は可なり烈しく動いたが、結局それは小さな揺(ユ)り返(カヘ)しに過ぎなかった」
③ しかえし。意趣返し
人情本・閑情末摘花(1839‐41)四「余り腹の立た這回(こんど)始末、この震返(ユリカヘ)しに米次郎を、チト困らして吾儕が腹を、医やうとおもふが」

ゆり‐かえ・す ‥かへす【揺返】

〘自サ四〙
① 一度ゆれたあとにさらにゆれ動く。地震のあとに余震が起こる。
② 一度大きくゆれた反動で、逆の方向にもう一度ゆれる。
※俳諧・射水川(1701)上「ゆり返す風を離るる薄哉〈十丈うちひらいたる磯端の月〈去来〉」
③ 何かされたことに対する仕返しをする。
歌舞伎御摂曾我閏正月(め組の喧嘩)(1822)三幕「うぬ、今にゆり返(カヘ)して来る。覚えて居やアがれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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