損・害(読み)そこなう

精選版 日本国語大辞典の解説

そこな・う そこなふ【損・害】

〘他ワ五(ハ四)〙
[一] 完全であるものを不完全にする。
① 心身を傷つける。
(イ) 体の一部分をいためる。傷つける。けがをさせる。破る。
※霊異記(810‐824)上「恐るらくは寒心するところ、患を手に傷(ソコナフ)に貽(いた)さむ〈興福寺本訓釈傷 曾去奈不爾〉」
(ロ) 傷つけて命をなくす。殺傷する。
※大智度論平安初期点(850頃か)一六「種種の鳥獣を残賊(ソコナヒ)しが故に」
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「河原のわたりは、盗人おほくて、人そこなう也」
(ハ) (「心地そこなう」などの形で) 病気になる。
※古今(905‐914)春下・八〇・詞書「心地そこなひてわづらひける時に、風にあたらじとて、おろしこめてのみ侍りけるあひだに」
※源氏(1001‐14頃)葵「いと、をかしげなる人の、いたう弱り、そこなはれて」
② 物事を悪い状態にさせる。
(イ) うちこわしてだめにする。
※書紀(720)神代上「霖旱(ながめひでり)に経(あ)ふと雖も損傷(ソコナハるる)所無し」
※百法顕幽抄平安中期点(900頃)「互ひに相ひ非し片ひて仏教を残(ソコナハ)む」
(ロ) 人の気分などをこわす。
※日葡辞書(1603‐04)「イロヲ soconǒ(ソコナウ)、または、キゲンヲ soconǒ(ソコナウ)
[二] (動詞の連用形に付いて補助動詞として用いる) ある動作をしながらも、その動作を全うできない、その動作に失敗する、などの意を表わす。誤る。しくじる。しそんじる。「言いそこなう」「行きそこなう」など。
※源氏(1001‐14頃)若紫「書きそこなひつとはぢて隠し給ふを」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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