搦手(読み)からめて

精選版 日本国語大辞典 「搦手」の意味・読み・例文・類語

からめ‐て【搦手】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「からめで」とも )
  2. 人をからめとる人。捕手(とりて)
    1. [初出の実例]「年来(としごろ)搦手向かひ候ふ事、其の数を知らず候」(出典:古今著聞集(1254)一二)
  3. 城の裏門。敵の裏面。⇔大手追手(おうて)。〔吾妻鏡‐嘉禎元年(1235)九月一〇日〕
    1. [初出の実例]「老少二手にわかって、老僧どもは如意が峯より搦手(カラメデ)(高良本ルビ)にむかふべし」(出典:平家物語(13C前)四)
  4. 城の裏門または敵の背面を攻める軍勢。⇔大手追手(おうて)。〔玉葉‐寿永三年(1185)二月八日〕
    1. [初出の実例]「搦手(カラメて)の寄手三百余騎は、海道を西へ落ちて行く」(出典:太平記(14C後)一四)
  5. 相手の正面以外の、手うすなところや注意をはらっていない面。
    1. [初出の実例]「そんならと搦手(カラメテ)の妻の冬子を攻落して」(出典:其面影(1906)〈二葉亭四迷〉六七)
  6. 商家における見世(みせ)を大手に見たて、台所(だいどころ)の称。
    1. [初出の実例]「からめては女房のふせぐ大三十日」(出典:雑俳・柳多留拾遺(1801)巻四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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