精選版 日本国語大辞典 「搦手」の意味・読み・例文・類語
からめ‐て【搦手】
〘名〙 (古くは「からめで」とも)
① 人をからめとる人。捕手(とりて)。
※古今著聞集(1254)一二「年来(としごろ)搦手向かひ候ふ事、其の数を知らず候」
※平家(13C前)四「老少二手にわかって、老僧どもは如意が峯より搦手(カラメデ)(高良本ルビ)にむかふべし」
※太平記(14C後)一四「搦手(カラメて)の寄手三百余騎は、海道を西へ落ちて行く」
④ 相手の正面以外の、手うすなところや注意をはらっていない面。
※其面影(1906)〈二葉亭四迷〉六七「そんならと搦手(カラメテ)の妻の冬子を攻落して」
⑤ 商家における見世(みせ)を大手に見たて、台所(だいどころ)の称。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻四「からめては女房のふせぐ大三十日」
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