摘細工(読み)つまみざいく

改訂新版 世界大百科事典 「摘細工」の意味・わかりやすい解説

摘細工 (つまみざいく)

撮細工とも書く。手芸一種で,薄い絹または薄いちりめんを1~3cmの角形に切り,ピンセットで三角形に折って,紙に張りつけ,花鳥または虫魚などの形に作るもの。江戸時代の半ばころ,摘細工を応用したかんざし島田髷にさすことが流行し,女性の髪が洋髪に移るまでは〈花かんざし〉〈花ぐし〉と呼ばれて,少女や若い女性の頭飾品の主要なものであったが,いまは減少し,髪飾羽子板,くす玉などにわずかに見られる。つまみ細工は江戸時代から女性の手芸として行われたが,花のしんなどにモール細工を施したりした精巧な品が商品としても作られた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 徳兵衛 山田

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android