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羽子板 ハゴイタ

デジタル大辞泉の解説

はご‐いた【羽子板】

羽根突きに使う長方形の板。桐(きり)・杉などを用い、絵を描いたり、押し絵をつけたりする。遊戯用のほか飾り用ともする。 新年》「―の重きが嬉し突かで立つ/かな女」

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百科事典マイペディアの解説

羽子板【はごいた】

正月の遊戯具。羽根突きに用いる長方形で柄のある板で,おもにキリ,カツラ,スギ等を用い,室町時代胡鬼板(こきいた)と称した。初期には宮中左義長(さぎちょう)の絵が描かれ,江戸中期から極彩色,金銀箔(はく)等で花鳥福神等を描く。

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世界大百科事典 第2版の解説

はごいた【羽子板】

正月の遊戯具,またそれを用いた遊び〈はねつき〉〈つくばね〉。室町時代の《看聞御記》の永享4年(1432)正月5日条に〈こぎの子〉勝負の記事があり,同6年の条に〈こぎ板〉の名がみえるのが古く,1444年(文安1)の《下学集》では〈羽子板〉と書いて〈はごいた〉〈こぎいた〉両様によませている。こぎ板には〈胡鬼板〉の字をあてることがある。ムクロジの実に羽毛をさしたものが〈はご(羽子)〉〈こぎのこ〉であり,現在の〈はね〉である。

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大辞林 第三版の解説

はごいた【羽子板】

羽根をつく用具。普通、先の開いた長方形の板に持ち手をつけてある。押し絵などを施した装飾用の大形のものもある。胡鬼板こぎいた[季] 新年。 《 -の重きが嬉し突かで立つ /長谷川かな女 》

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

羽子板
はごいた

女の子の正月の遊び道具。羽根突き遊びに用いる長方形の柄(え)のついた板。室町時代1444年(文安1)刊の『下学集(かがくしゅう)』に、「羽子板(ハゴイタ)正月ニ 之ヲ用フ」とあるのが最初の文献といわれる。続いて江戸時代、明応(めいおう)年間(1492~1501)刊の『節用集(せつようしゅう)』には、「羽子板、胡鬼板子(こぎいたご)」とあり、羽子板あるいは胡鬼板ともよばれていた。羽根はムクロジの種子に羽根をつけ、蚊(か)を食うトンボに似せたもので、蚊退治、子供の厄病除(よ)けのまじないとして羽根突きをしたのがそのおこりともいう。羽根を胡鬼子(こぎのこ)といい、1544年(天文13)刊の『世諺問答(せげんもんどう)』(一条兼冬補)に、「これはおさなきものの、蚊にくはれぬまじなひ事なり、秋のはじめに蜻蛉(とんばう)といふむし出きては、蚊をとりくふ物なり、こきのこといふは、木連子(むくろじ)などを、とんばうがしらにして、はねをつけたり、これをいたにてつきあぐれば、おつる時とんばうがへりのやうなり、さて蚊をおそれしめんために、こきのことてつき侍(はべ)るなり」とあり、これを胡鬼子遊びといった。当時の宮中行事を記録した『看聞御記(かんもんぎょき)』(後崇光院(ごすこういん)の日記)の永享(えいきょう)4年(1432)正月5日の条に、公家(くげ)、女官たちが男組、女組に分かれて、胡鬼子(羽根突き)勝負を行ったことが記されている。宮中の正月遊びであったが、胡鬼板は遊具として用いられただけではない。平安時代に中国から渡来した、正月の宮中行事の火祭り左義長(さぎちょう)と結び付き、迎春厄除(やくよ)けの意味で、ほかの吉書(きっしょ)や扇子と同様にこの行事で火中に投ぜられたという説もある。したがって形も簡素な笏(しゃく)形で、慶祝的な図柄などを粗雑に描いた程度のものといわれる。
 羽根突き遊びが盛んになったのは江戸時代の元禄(げんろく)(1688~1704)以降で、1692年(元禄5)刊の『世間胸算用(むねさんよう)』(井原西鶴(さいかく)著)には、新興都市江戸の大通り筋の年の市で、正月用の玩具(がんぐ)類とともに京都特産の羽子板が売り出されている情景が描かれている。京都産の羽子板は古い歴史をもち、京羽子板は上製羽子板の代表的作品とされていた。江戸中期から羽子あるいは羽子板とよばれるようになった。図柄に古式に倣って正月行事の左義長風景を描いたので、左義長羽子板ともいわれた。板の表に胡粉(ごふん)を塗り盛り上げた極彩色で、公卿(くぎょう)装束の男女が宮中御殿から左義長行事を見物する図を描いたもので、この系統は各地の伝承的な郷土羽子板の一部にその名残(なごり)をとどめている。その後羽子板は発達して、初日の出、鶴亀(つるかめ)、宝尽くし、花鳥など変化に富んだものが現れ、左義長羽子板に準じて豪華な高級品もつくられた。文化・文政(ぶんかぶんせい)(1804~30)のころには当時流行の押し絵羽子板が登場。花、鳥、人気役者の顔も絵になり、これを売り出す羽子板市が歳末に開かれるようになった。明治以後には押し絵物のほか、電気ごてを使用する焼き絵羽子板、あるいは絵の具で彩色したものなどの技法も取り入れられた。現在、正月の飾り羽子板として用いられるほかに、運動用具的なもの、軽便な遊戯用のものなどがあるが、まじない的な意味は失われている。[斎藤良輔]

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