抽出(読み)ちゅうしゅつ

デジタル大辞泉の解説

ちゅう‐しゅつ〔チウ‐〕【抽出】

[名](スル)
多くの中からある特定のものを抜き出すこと。「名簿から該当者を無作為に抽出する」
液体または固体の中から特定の物質を溶媒に溶かして取り出すこと。「花から精油抽出する」

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世界大百科事典 第2版の解説

ちゅうしゅつ【抽出 extraction】

溶媒抽出ともいう。液体あるいは固体の混合物(抽料)に溶剤(抽剤)を加え,その混合物中からある特定の物質(抽質)のみを取り出し,他の物質と分離する操作で,単位操作の一つである。抽出によって得られる溶剤を主とする液を抽出液といい,これには目的とする物質が溶質として多く含まれることになる。原料混合物が液体であるときを液液抽出,固体であるときを固液抽出または固体抽出という。液液抽出の場合には,原液と溶剤とが二つの相を形成し,比重の差により2相に分離するので,希望する物質すなわち溶質を選択的に溶剤相に移動分離することができる。

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大辞林 第三版の解説

ちゅうしゅつ【抽出】

( 名 ) スル
全体の中から、ある物を抜き出すこと。 「リストから条件を満たす物を-する」
固体または液体の混合物に溶媒を加え、混合物中の特定の成分を溶媒中へ分離する操作。この操作後に得られる溶媒部分を抽出液という。溶媒抽出。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

抽出
ちゅうしゅつ
extraction

固体や液体中に含まれるある成分を溶剤中に溶解移動させる操作をいう。固体中の成分を溶剤中に移動させる操作を固液抽出あるいはリーチングといい,液体中の成分を溶剤中に移動させる操作を液液抽出という。抽出は鉱石から必要金属を取出したり,植物からある成分を取出したりするほか,ウラン,抗生物質の濃縮など,金属工業,食品工業,薬品工業で広く用いられている。溶剤中に溶解した成分は蒸留,蒸発,または化学操作により分離されることが多い。工業的には向流装置が用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

抽出
ちゅうしゅつ
extraction

固体または液体の中から、特定の物質だけを溶媒(溶剤)あるいは試薬などを用いて取り出す操作をいう。たとえば、植物などの薬用成分を水あるいはエタノール(エチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒によって抽出するなど、混合物中から特定成分だけを溶解し、分離する。チャからカフェイン、花から花の色素を抽出するのは、これらを水と煮沸することによって可能である。またホウレンソウをエタノール中で振るとクロロフィルを抽出することができる。このような場合のほか、酸、アルカリによる反応、あるいはキレート生成などの化学反応を利用する複雑な場合もある。
 液体から液体を抽出する、いわゆる液‐液抽出では、分液漏斗(ろうと)などにより、よく振ってから分離することによって抽出する。固体から抽出する、いわゆる固‐液抽出では、ソックスレー抽出器などで自動的に行う。
 工業的にも、潤滑油の精製、種子からの各種食用油の抽出など、多くの操作がなされている。[中原勝儼]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ちゅう‐しゅつ チウ‥【抽出】

〘名〙
① ぬき出すこと。ひき出すこと。いくつかの事物の中から、ある物・要素をぬき出すこと。〔五国対照兵語字書(1881)〕
※自画像(1920)〈寺田寅彦〉「此の要素を分析し抽出する科学的の方法は」
② 他よりぬきんでること。
※英政如何(1868)一八「今英国の政治は闕典又多しといへとも天下諸国の上に抽出す」
③ 液状または固状の混合物を溶剤で処理し、各成分の溶解度の差を利用して混合物中の特定物質を分離し取り出すこと。原料となる混合物が液体の場合を液々抽出、固体の場合を固液抽出という。
④ 数理統計で、母集団から標本をぬき出すこと。〔推計学の話(1949)〕

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