斎槻(読み)ユツキ

デジタル大辞泉 「斎槻」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐つき【×槻】

神聖で清浄なツキの木。一説に、奈良県桜井市巻向まきむく山の一峰の名とも。いつき。
長谷はつせの―が下に隠したる妻あかねさし照れる月夜つくよに人見てむかも」〈・二三五三〉

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精選版 日本国語大辞典 「斎槻」の意味・読み・例文・類語

い‐つき【斎槻】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「い」は、斎(い)み清めた、の意 ) 神聖なツキの木。
    1. [初出の実例]「神南備の 清き御田屋の〈略〉五十槻(いつき)が枝に 瑞枝(みづえ)さす 秋の赤葉(もみちば)」(出典万葉集(8C後)一三・三二二三)

斎槻の補助注記

一説に、「五十槻(いつき)」の「い」は、数多くの意で、枝葉の多いツキの木、とする。


ゆ‐つき【斎槻・弓槻・五百槻】

  1. 〘 名詞 〙 手を触れてはならない神木としての槻の木。
    1. [初出の実例]「長谷の弓槻(ゆつき)が下に吾が隠せる妻 あかねさし照れる月夜に人見てむかも」(出典:万葉集(8C後)一一・二三五三)

いわい‐つきいはひ‥【斎槻】

  1. 〘 名詞 〙 神社境内に神木としてまつられている槻の木。
    1. [初出の実例]「天飛ぶや軽の社の斎槻(いはひつき)いく世まであらむ隠り妻そも」(出典:万葉集(8C後)一一・二六五六)

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