日本大百科全書(ニッポニカ) 「新会」の意味・わかりやすい解説
新会
しんかい / シンホイ
中国南部、広東(カントン)省南部の江門(こうもん)市に属する市轄区。珠江(しゅこう)デルタの南西端を流れる珠江の分流の一つである潭江(たんこう)沿岸に位置する。区南部の崖門(がいもん)は潭江が海に入る河口にあたる。人口75万5800(2015)。かつては貧しい農村で、台山(だいざん)、開平(かいへい)、恩平(おんへい)の各市とともに、海外に移住する者が多かったため華僑(かきょう)の四邑(ゆう)とよばれた。中華人民共和国成立後、堤防、用水路などが整備され、水稲の二期作のほかサトウキビ、果樹とくにミカンなどが栽培されていて、淡水養殖も盛んである。1980年潭江に数か所のダムと発電所が建設された。工業ではステンレス製品や紡績、家具、舶用品などの工場がある。日本からはパナソニック、JFEスチールなどが進出している。南部の沖合いにある小島の崖山(がいさん)は南宋終焉(なんそうしゅうえん)の地として知られる。
[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年1月19日]