日本大百科全書(ニッポニカ) 「江門」の意味・わかりやすい解説
江門
こうもん / チヤンメン
中国南東部、広東(カントン)省南部の地級市。五邑(ごゆう)という旧称でも知られている。珠江(しゅこう)デルタの西端に位置し、水路が網状に通じる水上交通の要地である。3市轄区を管轄し、4県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口391万4100(2015)。周辺は肥沃なデルタ地帯で、米の二期作、サトウキビのほか養蚕も盛んである。このサトウキビを原料とする製糖工場では副産物としてアルコールを生産する。サトウキビのかすを利用した製紙工場のほか、農機具、化学肥料、医薬品、電気機械、鉄鋼などの工場もある。郊外に明(みん)代の学者陳白沙(ちんはくさ)(陳献章(ちんけんしょう))の旧跡がある。また市西部に華僑(かきょう)の出身地として有名な新会(しんかい)区と開平(かいへい)、台山(だいざん)、恩平(おんへい)の3市があり、帰郷する華僑のためのホテルも多い。
[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年1月19日]