日本大百科全書(ニッポニカ) 「新和様建築」の意味・わかりやすい解説
新和様建築
しんわようけんちく
鎌倉時代に始まった建築様式。平家による南都(奈良)焼討ちで罹災(りさい)した東大寺の復興は、俊乗房重源(しゅんじょうぼうちょうげん)が大勧進(だいかんじん)に任じられて行われたが、彼は短期間にこの造営を果たすべく、中国の宋(そう)で学んだ建築様式を駆使して再建に努めた。重源のもたらした建築様式は大仏様(だいぶつよう)とよばれるが、柱を貫(ぬき)で連結し、その先端の木鼻(きばな)に装飾として繰形(くりかた)をつけるなど、それまでの日本建築にみられなかった手法がとられ、建築の構造・意匠に斬新(ざんしん)さを与えた。奈良時代以来の建築様式を和様とよぶが、この和様細部に大仏様を導入し、構造強化と立面意匠を整えた建築を新和様建築という。
[工藤圭章]
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