新平遺跡(読み)につぺいいせき

日本歴史地名大系 「新平遺跡」の解説

新平遺跡
につぺいいせき

[現在地名]江釣子村新平

和賀川北部の段丘が北上川支流のもち川・黒沢くろさわ川によって南北を削られた新平丘陵(標高約九七メートル)にある。昭和三二年(一九五七)、三三年の調査により、周囲にV字状の空堀・掘立柱建物二棟・鍛冶場跡・竪穴住居跡二棟が検出された。V字状の空堀は丘陵外郭線上をめぐる感じで存在し、建物跡を囲む。厩舎跡らしい掘立柱建物一棟は、内郭の中央部よりやや東寄りに長方形に小溝がめぐらされて、乱杭状の打込み杭跡がある。南斜面にある掘立柱建物跡は東西七間・南北四間。「午」と書かれた墨書土師器が出土している。これらの遺構・遺物から「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条にみえる磐基いわき駅家跡と推定され、県史跡に指定された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報