日本歴史地名大系 「新撰讃岐国風土記」の解説
新撰讃岐国風土記
しんせんさぬきのくにふどき
二四冊 松岡調著
成立 明治三〇年頃か
原本 多和文庫
解説 松岡調は志度の多和神社祠官で、のち金刀比羅宮の禰宜となる。古典や古記録に詳しく、邸宅内に多和文庫を創設し、古典・古記録・古文書・古器物など貴重な資料を多数収蔵した。「古事記刪定」「古語拾遺刪定」「大神宮儀式帳刪定」「讃岐国官社考證」など多くの著書がある。彼の日記「年々日記」(一五四冊)は史料として重要である。晩年に編纂に取りかかったのが本書であるが、三野郡・豊田郡・小豆郡は脱稿に至らず、また脱稿郡のなかにも欠けている村もあり、未刊であるのは惜しまれる。現存するのは大内郡二冊・寒川郡三冊・三木郡二冊・山田郡二冊・香川郡二冊・阿野郡二冊・鵜足郡二冊・那珂郡五冊・多度郡四冊で、内容は郡・郷の歴史的説明に始まり、村ごとに反別・戸数人口・地名・山川・池泉・神社・寺院・古城跡・産物など詳細にわたり、現在散逸している資料も多く収められている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報