朝日日本歴史人物事典 「新納中三」の解説
新納中三
生年:天保3.4.15(1832.5.15)
幕末の薩摩藩士,明治期の司法官吏。諱は久脩,通称中三,刑部。藩主島津家一門。家は850石余を食み,小姓番頭,軍役方総頭取を経て文久2(1862)年軍役奉行,翌3年7月,薩英戦争のとき,彼が勧奨した洋式軍制が威力を発揮して評価された。慶応1(1865)年大目付に昇進,町田久成,松木弘安(寺島宗則),五代才助(友厚)らと留学生14人を率いて渡英,このときに独,仏,蘭,ベルギーを歴遊,同2年帰国。家老に昇進,薩藩の外交事務を総理した。明治初年の藩政改革に関与。以後,明治9(1876)年司法7等判事,11年大審院判事,12~15年名古屋・函館各裁判所判事。15年非職。19年鹿児島県少書記官。病没。
(福地惇)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報