知恵蔵 「新興市場地域」の解説 新興市場地域 必ずしも地理的な概念ではなく、成長可能性を秘めた地域といった意味。NIESとして注目を集めた諸国に続いて、1980年代に急成長したASEAN諸国や中国沿岸部、場合によっては、ロシア、東欧の移行経済諸国も含まれる。80年代初頭の債務危機からラテン・アメリカ諸国が回復するにつれて、改めて海外から資金を集めるために、この名称が使われた。NIESやNICSという名称が「工業化」に着目しているのに対し、機関投資家の関心を引くことに重点がある。90年代に相次いだ通貨・金融危機で一時の人気は衰えたが、アジア経済の回復が進むにつれて再び脚光を浴びつつある。とりわけ、中国とインドが対外経済政策を自由化し、経済成長率が高まったことから注目を集めている。 (石見徹 東京大学教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by