方分(読み)かたわく

精選版 日本国語大辞典 「方分」の意味・読み・例文・類語

かた‐わ・く【方分】

[1] 〘他カ四〙
歌合(うたあわせ)競馬(くらべうま)など、二組に分かれて争う競技で、人々を左右の組に分ける。相手の組とこちらの組とに分ける。
※延喜十六年庚申亭子院殿上人歌合(916)「有心とおもひける人ども、たなばたのあひての後おもふらむことを題にて、日のうちに歌よみつつかたわきてあはせたる」
② (心を寄せるところなどを)異にする。差別する。
伊勢集(11C後)「みえもせぬふかきこころをかたわくは人にかちぬとおもふものかは」
[2] 〘他カ下二〙 二手に分ける。
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)一「梅と桜の造花百人づつかたわけてふりかたげ、左右に召具し」

かた‐わき【方分】

〘名〙 左方右方とに人数が分かれること。絵合(えあわせ)や歌合などの際の組合わせ。双方に分かれて勝負を争うこと。かたわかち。
※輔親集(1038頃)「かたわきのいどみ、程すぎぬれば」

かた‐わか・つ【方分】

〘他タ四〙 人々を両方の組に分ける。敵と味方に分ける。敵味方に分け勝負をさせる。
源氏(1001‐14頃)絵合「この人々のとりどりに論ずるを聞し召して、左右とかたはかたせ給ふ」

かた‐わかち【方分】

増鏡(1368‐76頃)八「又の年正月に、忍びて新院と御方わかちの事し給ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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