方面軍（読み）ほうめんぐん

改訂新版　世界大百科事典

方面軍 (ほうめんぐん)

旧日本陸軍最高の指揮機関である〈大本営〉または〈総軍〉と数個の師団等から編成される〈軍〉との中間に位置する作戦軍。方面軍は通常2～3個軍を基幹として編成され，日中戦争時の〈北支那方面軍〉，太平洋戦争時の〈ビルマ方面軍〉等がある。方面軍司令官は陸軍大将で，その司令部（旧日本軍）の組織は，幕僚，管理部，兵器部，経理部，軍医部，獣医部および法務部の約500名の要員から成る。方面軍は，戦争または事変において，大本営または総軍の直接指揮をうけて某方面の作戦を担任する。方面軍は，大本営や指揮下部隊の兵站（へいたん）活動（補給，整備等）の負担を軽くし，戦場の実情に応じて適時適切な作戦を指導するために設置される。方面軍（旧日本軍）には外交，内政，経済等政略上の考慮を必要とする任務を与えられるが，これと類似した第2次大戦時における，米・英軍の〈軍集団〉は，純作戦任務のみを遂行するにとどまる。
執筆者：橋口 茂

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

世界大百科事典（旧版）内の方面軍の言及

【軍隊】より

…大軍では，2～5師団をあわせて軍団を，さらに2～5軍団で軍を編成する。戦域ごとに方面軍司令部を置く国もある。方面軍司令部は軍の上部機構で，通常，海，空の部隊もあわせて指揮する。…

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