兵站(読み)へいたん(英語表記)logistics

  • 兵×站

翻訳|logistics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

軍事装備調達補給整備,修理および人員・装備の輸送,展開,管理運用についての総合的な軍事業務。第2次世界大戦後,この言葉がアメリカで一般に用いられるまで定義は曖昧であった。兵站は補給,輸送,管理の3要素から成り,また兵站能力は,自給自足型,現地調達型,補給基地型に分類される。しかし機械化とともに自給自足型と現地調達はもはや有効な兵站手段ではなくなった。また第2次世界大戦後の核時代の到来により,兵站とその体系についても根本的な改革が要請されるにいたっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

アメリカ軍ではロジスティックスlogisticsといい,自衛隊(陸上自衛隊を除く)では後方と呼ぶ。作戦軍の生存と活動を維持・増進するため必要な軍需品,補充員等を本国から送し,また死傷者,損傷兵器等を取り除いて本国に後送し,それによって作戦を支援する,戦闘地帯から後方の軍の諸活動・機関・諸施設を総称して兵站という。
[陸上兵站]
 (1)補給業務 兵站の中心は補給業務である。作戦軍が必要とする糧食燃料,武器,弾薬,衛生材料,その他の需品類を,本国から前線部隊まで輸送するための交通路(兵站線または後方連絡線という)が設定される。

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大辞林 第三版の解説

戦場の後方にあって、作戦に必要な物資の補給や整備・連絡などにあたる機関。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

戦争を遂行するために必要な人的、物的戦闘力を維持、増強して提供すること。現在は普通、後方という。旧日本陸軍では、作戦軍と本国における策源を連絡し、作戦軍の目的を遂行させるための諸施設とその運用を兵站といい、この連絡線を兵站線と称した。旧海軍の場合は兵站のことを戦務とよんだ。後方の対象には資材、役務、施設、人員があり、機能的には補給、整備、輸送、建設、衛生、人事、行政管理が含まれる。調達、収用、生産、招集、雇用なども必要となる。このうち人事および行政管理を除く活動を自衛隊では後方補給という。陸上自衛隊だけがこの後方補給を兵站と称している。兵站線のことを後方連絡線とよぶことが多い。
 国家レベルにおいては国家兵站という語を使う。第一次世界大戦以後の総力戦時代においては、経済、政治など国力のすべてをもって戦争の遂行を支えることが求められることから、国家兵站が重視され、国家総動員をもってこれにあたる。[藤井治夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 軍隊の戦闘力を維持し、作戦を支援するために、戦闘部隊の後方にあって、人員・兵器・食糧などの整備・補給・修理や、後方連絡線の確保などにあたる機能。また、その機関。兵站部。
※東京朝日新聞‐明治三九年(1906)一月二一日「人馬一覧表、衛生、給養及び兵站設備概況書を具し、謹んで奏上す」

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